オトナの土ドラ「火の粉」第7話【深夜テレビ探検隊・元原稿シリーズ】
<「火の粉」>(フジテレビ)
ユースケ・サンタマリア、マッサージチェアで恐怖の尋問!
狂気の「反省文を書けーー!!」
昼ドラでおなじみだった東海テレビによる「オトナの土ドラ」第1弾。一家連続殺人事件の容疑がありながら無罪になった武内(ユースケ・サンタマリア)は、やはり本当は殺していた。おまけにそのことを、無罪を下した張本人の梶間勲(伊武雅刀)が真っ先に知り、すっかり怯えている。更に、新たな殺人による死体も目撃。これにより、武内や梶間家の周辺で死亡もしくは失踪してきた、6人+犬1匹も武内が殺しているかもしれないことに…。
第7話では、いきなり武内が梶間家にマッサージチェアをプレゼントする所から始まる。真実を知らない長男・俊郎らは、邪魔に思って、奥の部屋に移動させてしまう。武内の、厚意を無下にされると逆上する性格を知っている勲は「早く居間に戻せ」と焦る。しかし、すぐ武内が家に来てしまう…!よりにもよって奥の部屋で電源をつながず物置化しているマッサージチェア…!確かにマッサージチェア”あるある”だが…、怖いけど笑ってしまう展開。
次の日、海外旅行に行くという武内。真実を知る勲と嫁・雪見(優香)は今しかないと、他の家族に真実を告げ、夜逃げしようと企てる…が、武内を信じている俊郎や、勲の妻・尋恵(朝加真由美)には信じてもらえず、家族内が再びバラバラに。
これは武内の罠で、実は海外なんかには行っておらず、梶間家に乱入した武内は、一人一人例の奥の部屋に呼び、マッサージチェアでカウンセリング的なことをはじめる。尋恵、俊郎と、各自の悪い所を的確に指摘し、良い家族でいないと、また家族全員を殺さないといけなくなると脅す。尋問が終わる度に憔悴して帰ってくる面々。怖いけど、まるでコントだ。
更に次の雪見は、武内に反論したため、武内は「どうしてわからないんだ!」と逆上し、しまいには自分の考えが伝わらないため、「反省文を書けーー!!」と叫ぶ。反省文…?! (笑)。
梶間家を教育すると宣言した武内。もはや恐怖政治だ。翌朝もいつの間にか合鍵を作って入り込み「お皿が古くなっていました」と言って、一枚一枚皿を割りながら捨てる武内…ひえ~。更に武内はマッサージチェアに座りながら、雪見の反省文の朗読を聞く。
「よく出来ました。と言いたいところですが、100点満点中4点です。家族をもう一人忘れていませんか…?」
最終話もどうなるのか大変気になるところだが、東海テレビが「牡丹と薔薇」など中島丈博作品で培った、ハードで重厚なストーリー展開の上に、惜しげもなく強烈なネタ(ギャグ?)をぶっこんでいくスタイルが本当に上手く炸裂している。みなさんにもネタに対してツッコミながら視聴することをお薦めしたい。
(フジテレビ 5月14日(土)夜11:40放送)
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【深夜テレビ探検隊・元原稿シリーズ】 「おもしろい人が考えたTV with小藪」
深夜テレビ探検隊
テレ東深夜でゲリラ的に放送される問題児バラエティの実態に迫る(仮)
<「おもしろい人が考えたTV with小藪」 (テレビ東京 2月20日(水)25:35~26:05放送)>
現在、テレビ東京の水曜深夜25:35~26:05は、レギュラー番組が何も編成されていない時間枠になっている。しばらくアニメが放送されていた枠だったのだが、どうやら今年1月開始のアニメ番組を、既存の枠の数ほど確保できずに、こういった空き枠ができてしまったようだ。
大抵は、こういう枠は、1クール限定でレギュラーのバラエティ番組を始めるか、または過去のアニメ系の番組の再放送、もしくは番宣、通販枠になることが多い。
この水曜25:35枠は、アニメの再放送や番宣を経て、1月末から、どうやら単発の実験的内容のバラエティを放送していく枠になったようだ。しかし、ラインナップがどれも妖しい雰囲気の番組ばかり。
第1弾「テレビは○○で出来ている」(1/30放送)は、「AV女優から転身した女性AD」と「野球のネクストバッターがスタンバイする○を描く職人」(なんじゃそりゃ)のドキュメント…と見せかけて、実は前半は、後半のニセドキュメントの小道具やロケ地を仕込んでいる女性ADを追っている、という映像になっており、結局はそのADも普通の女優さんで、要はタイトルの「○○」には「ウソ」が入る、というオチの、エイプリルフール的なバラエティだった。
しかし、その映像は凝っており、いくつもの伏線が散りばめられている、意外にもコクのある面白い作品だった。
第2弾「美しい人に怒られたい」(2/13放送)は、美しい女性たちが、主観映像で(特に女性目線で)男のだらしないところやムカつくところを叱っていく、というイメージビデオ風番組。
日曜日から次の日曜日までの8日分、8人分、行き過ぎた草食男子ぶりや、ドヤ顔でカタカナ語を使っているのなどの理由で怒られまくる。テレビ見てないのや寝てないのを自慢すると、彼女に「(自分を大きく見せようとするから、)お前、スイミーかよ!!泳げよ!!そこ(海)で泳いでこいよ!!」と言われてしまうぞ!! 「つるピカハゲ丸かよ!」など若い女性は絶対にしないだろうユニークなお叱りもあって楽しめた。ちなみに最後は大体ツンデレな返しで終わる。
とにかくこの番組に出演した、若手のアイドル・女優たちが花開くことを祈る。
最新の第3弾「おもしろい人が考えたTV with小藪」(2/20放送)は以前放送されていた「とにかく金がないTV」と同じプロデューサーの番組ともあり、お笑い度はこの中では一番だった。
91歳のラッパーや、自分を「足が生えたお花」など、面白いというか変な人たちを集めて、その人たちに番組の企画・構成をさせたら、面白い番組ができるんじゃないか、という玄人向けの企画。小藪は、その番組(「クイズ ビッグバ~ン! 人生リサイクル学校」)のゲストとして出演。最後は単純に綱引きをやって勝敗を決していた。人間には多数の次元の人がいて、相手が必ずしも自分と同じとは限らないことを認識できる、教育テレビ的要素もあった。
いつまで続くかわからない、この路線。過度な期待は禁物だが、テレビ好きを自認している人なら、チェックしておいて損はないはずだ。ちなみに次回は「日本縦断!男と女とはんこ旅」と割と普通のタイトル。
鯖野かサバり
※編注 2013年のお話です
掲載作品
<おもしろい人が考えたTV with小藪>
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